「…どうせ眠れないんだったら、起きてあんたの顔を見てるほうがいいと思ったのよ」 「…それで、来たの?」 「…そうよ」 「…おれのことが、心配で?」 「何よっ、悪い?」 「…」 「…いんこ?」 「――せっかく、今まで抑えてたってのに…けど、もう限界」 「えっ?」 「明日にはどうなるかも分からないおれなんかが、きみの記憶に残るような真似しちゃ駄目だって、これでも我慢してたんだぜ?」 「…いんこ」 「なのに、残酷なくらいに可愛いんだな…刑事さんは」 「なに言っ…きゃ…っ」 「――本心じゃ、ずっと欲しかった…モモ子」 「…陽介くん」 「きみを、愛してる」 「…」 「…」 「…"どうなるか分からない"なんて言わないで。それに、記憶に残らないなんて無理よ。だって、あたしはもうとっくにあんたのこと…陽介くんのことが、好きなんだから」 「……朝まで、おれと一緒に居て、モモ子」 「…はじめから、そう…言ったでしょ…」 |
「終幕」のラストの舞台の前夜。 お題[ベッドで/お喋り](贋物十題様)のつもりで書き始めたのに、 何故か[ベッドにいく前の/お喋り]に変わっていた。 もうお題でもなんでもない…な… 05.9.20 |
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