happy merry churistmas 『お祭り好きなパッチ達に捕まって無理矢理着せられた』らしい赤い衣裳が、あたしを抱きすくめる。 「…その割には、やけに嬉しそうじゃない」 熱くなる頬を悟られないよう、精一杯に強がって。 「――それは、恰好のせいじゃないんよ」 吐き出した台詞も、軽くいなされてしまった。 「今こうして、アンナと居られるから」 囁いた唇が、くすぐったく触れてくる。 背中に回された腕と、 間近で感じる吐息と、 零れ続ける甘い言葉。 全部が幸せ過ぎて、目が回りそう。 だけど、何もかもがあんたのペースなのが、少しだけ悔しくて。 「…サンタなんでしょ。何をプレゼントしてくれるの?」 またも意地悪に紡ぎ出された言葉に、葉は肩口に埋めていた顔を一旦引き離すと、真剣な目であたしのそれを覗き込んだ。 「…アンナが、一番欲しいもの。」 ――自惚れ過ぎか? そう言って照れた笑みを浮かべるあんたに、今夜はどう頑張っても勝てやしない事をあたしは悟る。 …自惚れ過ぎじゃ、ないわ。 聞こえない程の答えを返して。 それから大人しく目を閉じて、与えられる筈のプレゼントを待った。 |
聖夜、プレゼントを貰いに来たサンタ。 元絵は絵板での落書き↓ |
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