抱きしめたいと思う瞬間がある。


沢山の取り巻きに囲まれているくせに。微笑んでさえいるくせして。なのに、みっともない程に痛々しい瞳。


彼がしている事に賛同なんて出来ない。理解するつもりもさらさら無い。


ましてやその存在自体が、あたしの最愛の夫を苦しめている原因なのだと言えなくもないのに。



なのに。



…あんたの周りではしゃいでる人間の中で、気付く奴は居ないのかしら。


気付いて、そっと包んでやれる者は。


あたしの代わりに。


自分の傷を舐めるだけで手一杯に見えるアイツらには、到底無理な話なのだろうか。




愛している訳じゃない。


そんな筈もない。


なのに、確かに。




抱きしめたいと思う、瞬間がある。






「母さん…」な未来王に捧げる子守唄。
WJにて初めて未来王の涙を見た時、ちょっと可愛そうに思って。
パッチ村、ハオと出会って少し経った頃。
「あたしの代わりに」彼を癒すのが自分の夫であるという事に、彼女はまだ気づいていない。



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